2016年12月21日

記憶の奥に眠る花の思い出 〜読書案内〜


どうもこんにちは。
先週の寒波に合わせて風邪をひき、病み上がりの三田です。
全くもって油断は禁物ですね!


今回は植物にまつわる小説紹介の第2弾です。
タイトルは『花』。直球です。
金城一紀著の『対話篇』という中編集の中のひとつです。
この中編集は学生時代に何気なく読んでからとても気に入っていて、
ことあるごとに人に読め読めとすすめています(笑)。

*****

語り手の「僕」は25歳の青年。急に倒れて運ばれた病院で、脳に腫瘍があることが判明します。医師に手術をすすめられ、また、手術をすることで記憶を失う可能性があるとも説明され、同意書を渡されます。
正直に話した恋人には突き放され、仕事をやめて実家に戻ったものの家族には説明できないまま過ごす日々・・・不安な気持ちだけが募ります。

そんな中、大学時代の先輩に不思議なアルバイトを頼まれます。
先輩の知り合いを乗せて、東京から車で鹿児島まで運転するというもの。
(しかも高速道路は使わずに国道のみで行くという条件つき!)
理由は依頼した本人に会って聞いてみないとわからない、という謎の多いバイトにもかかわらず、興味をもった「僕」は引き受けることに。

こうして親子ほど歳の離れた鳥越氏(職業:弁護士)との旅が始まります。
鳥越氏が鹿児島へ向かう目的とは?なぜ車で行くのか?
など、さまざまな謎は物語がすすむにつれ、徐々に明らかになってゆき・・・。

*****

・・・というのがあらすじ。
『対話篇』というだけあって、登場人物たちの会話にひきこまれます。
そして車で旅するというシチュエーションがロードムービー好きにはたまりません。
生と死にかかわる内容が描かれますが重苦しくはなく、「記憶」についてのお話と言うのがしっくりくるかもしれません。
その時は忘れまいと思ったはずなのにいつの間にか薄れてしまった記憶が、ふとしたきっかけでよみがえることってありますよね・・・。
短いながらも丁寧に読みたくなるような作品です。


それで、何の「花」が出てくるの、というところですが、
鳥越氏とその奥さんをつなぐキーアイテム、とだけ申し上げておきましょう。
ただし、お花に詳しい方なら口絵でその正体が分かるかもしれません。
(分からなくても、これがそれなのか!しゃれた演出だな!と後から思っていただけるのではないでしょうか。)

他に収録されている2編も素敵なのでぜひ一緒にお楽しみください!



最近は読みかけの本や手つかずの本をためてしまい、「積ん読」状態になっています。お正月休みを活用して消化していきたいです・・・。
それではまた次の機会に。


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posted by 大和農園 通信販売部 at 17:39| Comment(3) | オフタイム
この記事へのコメント
 以前、湯本香樹実さんの「夏の庭」という本を紹介していただきましたよね。早速、購入して読みました。目の前の事を精一杯考えながら、成長していく子どもたちの話がとてもよく書かれていて、アッと言う間に読んでしまいました。コスモスも印象的でした。そして、湯本さんの他の作品も読んでみたくなり、「ポプラの秋」というのも読みました。
 今回も、『花』是非読みたいのですが、ネットで調べても出てこないので、今度、本屋さんに行った時に探してみようと思います。同じく読みかけの本を抱えているのですが(;^_^A
Posted by まりーごーるど at 2016年12月22日 09:57
 夫がネットで買ってくれました。届いてすぐに読み始め、先ほど、金城一紀さんの『対話篇』の中の「花」読み終わりました。
 実は、昼間、畑仕事をしていて腰がギクッ!となり、何とかたどり着いた家で横になっていたら、「届いたよっ」と、夫が渡してくれたんです。 読みながら、涙がいっぱい出ました。ちゃんとテーマの花の名前わかりましたよ。夫、大事にしなくてはと、思います。
 
Posted by まりーごーるど at 2016年12月25日 18:45
まりーごーるど様、コメントありがとうございます!
おすすめの小説、楽しんでいただけてよかったです(*^_^*)
腰の具合はその後大丈夫でしょうか?
(以前もコメントしていただいたのにお返事がもれていて申し訳ありません・・・)

『花』は少ないページにいろんなものが詰め込まれてますよね。読み返すたびに涙してしまいます。
『対話篇』の姉妹編的な『映画篇』という作品集がありまして、こちらも面白いですよ。
Posted by 三田 at 2017年01月23日 16:31
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